刑法改正市民
プロジェクト
私たちは、
性暴力被害の実態に即した刑法性犯罪改正を求める市民団体です
性犯罪の実態を踏まえて刑法性犯罪改正を目指し、要望書の提出や国会議員への
ロビイングを行ってきた市民団体の集まりです
2023年6月16日・・・
刑法性犯罪改正案が16日、可決・成立
刑法性犯罪改正にあたっての声明
刑法改正を歓迎し、5年後の見直しに向けた更なる取り組みを期待します
わたしたち刑法改正市民プロジェクトはこの度の刑法性犯罪改正を歓迎いたします。明治時代に制定された刑法から116年を経て、ようやく、個人の尊厳を尊重するための役割を刑法が果たす、その一歩を踏み出したと考えます。
私たちは、同意のない性行為は犯罪にすべきであると訴えてきました。今回、罪名が「不同意性交等罪」となり「同意しない意思」を構成要件の中心としている点は大きな進展です。そして、いわゆる「性交同意年齢」が16歳未満に引き上げられ、大人が子どもへの性暴力をおこなってはいけないというメッセージを社会に発することになりました。公訴時効が、5年延長となり、18歳未満の被害については、18歳に達するまでの期間を加算することになったこと、夫婦間の性犯罪が明文化されたこと、撮影罪や16歳未満の者に対する面会要求等罪が新設されたことなど、大きな成果と考えます。しかし、今回の「不同意性交等罪」が果たして真の不同意性交等罪(No means No)と言えるかどうかは疑問が残り、運用状況をきびしく注視していく必要があり、またYesMeansYes型の国際水準の「不同意性交等罪」とは言えません。子どもの被害についての公訴時効が撤廃ではなく5年延長でしかないこと、地位関係性につけこんだ性行為の強制や障がい者(児)の性暴力被害等が果たしてこれで適切に犯罪として処罰されるのか等、性暴力被害の実態から見たときさまざまな課題が残されています。附則では、施行後5年後の見直し、そのために必要な調査を行うことが明記されました。新設された罪を含め改正法が刑事司法の実務において適切に運用されることを強く望むとともに、5年後の見直しに向けて、有効な実態調査をすみやかに行い、さらなる法整備が取り組まれることを期待します。
また、現在の日本では性教育が圧倒的に不足しており、国際水準の人権教育の水準には達していません。審議のなかでも繰り返し確認されましたが、加害者を生まないため、被害者を生まない、傍観者を生まないため、社会、家庭を巻き込んだ個人を大切にする包括的性教育の強力な推進が必要です。
最後に、心ある国会議員のみなさん、自治体議員のみなさん、法務省関係者のみなさん、性暴力について報道を渋る上司を説得して報道を続けてくださったメディアのみなさん、4年もの長い間フラワーデモを続けてくださったみなさん、署名にご協力くださったみなさん、筆舌に尽くしがたい困難を今日まで生き抜いてこられた性暴力被害当事者のみなさん、この刑法性犯罪改正に心を寄せて支えてくださった多くの市民のみなさん ありがとうございました。
わたしたち市民が、様々な立場から、ひとりでも多く性暴力被害者を救済するために、性暴力を許さない社会を作るために、この刑法改正成立を目指してきました。 市民の一人一人がたたかい抜いて勝ち取った刑法改正です。引き続き、それぞれの立場で、今回の成果が社会や司法に定着していくために、努力していきます。